【市立ひらかた病院における新型コロナウイルス感染症の対応】
2020.8.20
本日は【市立ひらかた病院における新型コロナウイルス感染症の対応】を市立ひらかた病院 林道廣院長からお聞きしました。
メモ書きです。
①現況
・国内:感染者2200万人 死亡者78万人
・日本は死者が少ない。
・しかし、この1週間で死者、重傷者が増えている
・大阪府:合計7288名 昨日187名 東京越える。
・人口あたり比率でも大阪は多い。
・大阪は重傷者が多いのではないか?病床率37%
・コロナ構造は外側は油膜、石鹸で落ちる。遺伝子を油膜が包んでいる。
・いろいろな動物を介し、人類を介して、ステルス性を持ち、発展、変異。1年間で1000世代進む脅威の進化。
・ウイルスに勝つという考えはおこがましい。生命の根本原理を忠実に遂行している。人類が滅亡してもウイルスは残る。なのでWithコロナ。
・しかし病院はwithoutコロナ。
・ステルス性:症状発現5日前からウイルス排出。症状発現1日前がウイルス排出のピーク。(普通は症状発現後に排出される。)
・発熱37.5度が目安。咳、倦怠感。味覚異常や腹痛などもある。どんな症状も出てくる可能性がある。
・熱中症と勘違いしやすい。
・軽傷80%、中等15%:高熱、息切れ、重症5%:呼吸困難など生命の危険
・中等を重症化させないことが必要
・中等は酸素投与が必要、重症は人工呼吸が必要:ICU
・診断には:発現前は検出の可能性は低い。2週間くらいで抗体検出、発現から4週間後くらいからPCR陰性の可能性。
・抗体検査ではわからない。
・発症から9日目以降でウイルス培養が要請になった症例がない。
・早期感染は喉鼻、その後気管・肺に、その後過剰炎症反応
・CYTONINE STORE サイトカインストーム。体の免疫反応が過剰になって、副作用を起こす。自分の体を自分で攻撃し始める。血管も攻撃して、血の塊、血栓症となることも。
・人間の反応を利用して、ウイルスは増幅する。
・コロナウイルス治療薬として抗ウイルス薬、免疫調節薬。使うタイミングが大切。特効薬がない。
・ワクチンは、日本はすでに4.9億回分確保している。が効くかはまだわからない。
・大阪のワクチン開発、抗体が出来るかどうか、中和抗体かどうか。効果が持続するか、安全か。この4点。
・人工呼吸器つけても6〜7割は助かる。
・ECMOの管理には医療従事者が4〜6名いる。1名に2台セットするので、5〜10名が必要。
・飛沫:サージカルマスク、短時間・近距離:コロナ、空気感染:N95マスク
・1分間で大声を出すと、1000粒の飛沫が8分こえて空中に留まる
・第1波ではマスクが不足。
②対応
・第2種指定医療機関。感染病床8床(陰圧室)
・マニュアル作成、受け入れルート見直し、空調整備
・1月31日 一人目の疑似症患者
・一般患者と動線が重ならないようにしている。
・体制整備:指揮確認、連携体制、役割分担
・4月7日に府から20床の受け入れ要請を受けて体制整備。
・コロナ疑いの方に陰圧個室。コロナの方は大部屋。
・PCR検査の検体はドライブスルー方式で行なっている。
・原則面会禁止。
・マスクがない時期:5日でウイルスが死滅するので、5日でマスクを使い回し
・今後想定される感染状況 今はステージ3は飲食店の人数制限、ステージ4は爆発的な感染拡大、医療提供体制の機能不全を避けるための対応が必要な段階、緊急事態宣言の検討
・目標は中等を重症にしない。迅速対応で感染レベルを早期に減少に転じさせる
・大阪モデル 病床逼迫率は70%で赤信号。70%ではすぐに100%に近づいてしまう。50%くらいで次の手を。
③実際と課題
・市の感染状況:8月は70人、10代、20代がほとんど。
・病院:これまで190名が入院。
・第2波がきて、20+6床で対応。ステージ4で30床を予定。
影響
・感染症に対応するため一般病床を一部閉鎖。
・手術や処置の停止。
・健康診断、人間ドックも停止。
・下肢機能再建センターのオープン延期
・連日の職員の検査、出勤調整。
○課題
・病院経営の悪化
・感染防止対策の必要
・職員の精神的肉体的負担
・衛生材料の不足。
・売上3億6千万の減
・空床補償、国の補償でも足りない
・小児科がメインだったが、コロナで小児科が一番影響を受けている。
・コロナで圧迫されて通常診療ができなかったが、6月から段階的に通常診療に。