家族の形【令和3年9月一般質問】

枚方市では、パートナーシップ宣誓制度を導入しています。

先駆けた取り組みであると思いますが、もう一歩踏み込んでいただきたい。

それは、この制度に当てはまらない部分。

 

性的マイノリティ支援事業について

Q1

 性別にかかわりなく全ての人がその人らしく生きられる男女共同参画社会の実現に向けては、性的マイノリティの人権尊重と性の多様性への理解促進は非常に重要な課題であると考えます。

 本市においては、平成31年3月に、性的マイノリティ支援宣言「ひらかた・にじいろ宣言」を行い、同年4月からパートナーシップ宣誓制度を導入するとともに、LGBT電話相談窓口の設置や、性的マイノリティの方や支援者の交流の場となるコミュニティスペースの開設など、具体的な支援に取り組まれているところです。

そこで、まず、本市のパートナーシップ宣誓制度における現状と課題について、お伺いします。

 

【答弁 市長公室長】

 パートナーシップ宣誓制度については、平成31年4月に制度の運用を開始し、これまでの利用実績は15組となっています。また、宣誓者の手続に係る負担軽減を図るため、今年の4月には、交野市と都市間相互利用の協定を締結したところです。

次に課題でございますが、同制度については、大阪府においても、令和2年1月から導入されていますが、先行して取り組む本市は府制度の対象外とされており、府内にもかかわらず、宣誓された方が他市に転居される場合は、改めて手続を行っていただく必要が生じます。

こうした課題を踏まえ、制度の相互利用等が可能となるよう、引き続き、大阪府に働きかけてまいります。

【Q2】

パートナーシップ宣誓制度は、誰もが大切なパートナーと安心して暮らすことができる一つの形として大変意義のあるものだと考えます。

 制度導入から、2年半ほど経過しているところですが、例えば、住宅の賃貸契約の際などにおいて、事業者側にこの制度への理解や協力が必要な場面もあると思いますが、このパートナーシップ宣誓制度について、市内事業者への周知はどのように取り組まれているのかお伺いします。

【答弁 市長公室長】

 昨年12月に作成しました性の多様性を理解するための事業所向けハンドブック「ありのままにじぶんらしく働く」の中で、パートナーシップ宣誓制度についても記載しており、このハンドブックを北大阪商工会議所に配架していただくとともに、今年4月には枚方事業所人権推進連絡会の会員である事業所への配布を行いました。

今後においては、こうした啓発冊子の活用も含め、より多くの市内事業者への周知、啓発を進めてまいります。

【Q3】

市内事業への周知については、今後進めていくとのことですが、事例のひとつとして、例えば、子どもを医療機関に連れて行った場合に、親でないパートナーは、子どもの病状説明を受けられないといったことが懸念されるところであります。

本市では、「子どもを守る条例」が今年3月に施行されており、「子どもを育てる家庭全体を支援すること。」を基本理念に掲げています。

パートナーシップ宣誓制度で認められた二人は、この条例にある家庭に当てはまるのかどうかについてお伺いします。

【答弁 子育ち支援監】

 「子どもを守る条例」は、子どもの幸せを第一に考え、子ども一人ひとりに寄り添ったきめ細やかな支援を行い、社会が一体となって子どもを守るために制定したもので、基本方針の「一人ひとりの子どもに寄り添い、子どもを育てる家庭全体を支援すること」におきましては、議員お示しの家庭を含め、子どもを支えるすべての家庭を含むものと考えています。

 

【Q4】

子どもを守る観点からも、パートナーシップを利用する二人と、子どもは家庭、つまり親子であるということです。

 子どもを守ることにつながるのなら、公に関係性を証明できるようにする必要があるのではないでしょうか。

兵庫県の明石市では、今年の1月から子どもを含めて家族として対応できるようにするファミリーシップ制度に取り組まれ、医療機関における病状説明や、市営住宅への入居などについて、パートナーや子どもも含めて家族として対応することができるようになっています。

本市において、これまで、パートナーシップ宣誓制度の利用者から、ファミリーシップ制度の導入を含めて本制度に対してどのような意見や要望があったのか、また、現在、ファミリーシップ制度についてどのように考えているのか、お伺いします。

 

【答弁 市長公室長】

現状として、パートナーシップ宣誓制度を利用された方から、本制度及びファミリーシップ制度の導入に係る意見、要望等はお聞きしておりませんが、今後、市民のニーズの高まりや、先行して導入している自治体の運用状況を注視しながら、本市制度の検証に努めてまいります。

 

【要望】

制度で定めなくても、パートナーシップを利用する二人と、その子どもは家族です。しかし、そのことについて、周りが理解していなければ意味がありません。周知を進めるためにも、ファミリーシップ制度は必要なのではないでしょうか。

ファミリーシップ制度については、先程申し上げた明石市の他、徳島市や東京都の足立区などでも制度導入されており、あらゆる家族の形態を尊重し、子供を守るから観点からも、今後においても、取り組む自治体が増えていくのではないかと考えます。

本市においても、市民のニーズに合った制度の構築に向けて、引き続き、情報収集に努めるなど、ファミリーシップ制度の確立に向けて、検証を進めていただくよう要望いたします。

 

パートナーシップ制度を利用した二人に、子どもがいたら。

それは家族でしょう。